ミッドナイト・ミートトレイン 真夜中の人肉列車 血の本(1) (血の本) (集英社文庫)

ミッドナイト・ミートトレイン 真夜中の人肉列車 血の本(1) (血の本) (集英社文庫)

血を抜かれ、毛をそられ、逆さ吊りにされた全裸の死体が4つ、地下鉄の震動に合わせて揺れている。カウフマンは恐怖におののいた。肉切り包丁を手に、死体を処理している男こそ、《地下鉄内連続惨殺事件》の真犯人だ!この殺人鬼マホガニーは、人肉を食う奇妙な集団に、人間の体を提供する役目を担っていた。屍肉と血の海のなかで、カウフマンとマホガニーの死闘が始まる。極彩色のスプラッタ・ストーリーを通して、大都会の底なしの恐怖と神秘を描く表題作ほか、4編を収録。世界幻想文学賞、英国幻想文学賞受賞作。

表紙が気持ち悪すぎる…!

表題作が一番スプラッター度が高くて好き。B級ホラー映画そのもののような視覚的な文章。スプラッタ描写がたくさんあっても、登場人物の苦痛の表現がされないので怖くはないというところがまさしくB級映画っぽくて面白いところ。人ならざる者、人知を超えた存在が出てくるところがバーカーっぽい。

『豚の血ブルース』は陰湿な暴力に染まった少年補導センターでどんな鬼畜な所業が?と思っていると、いつの間にか煙に巻かれ異世界にたどり着いてしまう。しかしこれは生理的嫌悪感を感じるな…。蛆とか糞とかそっち系なので。

『丘に、町が』は私にとっては全く想定の範囲外の作品でビジュアルが浮かばなかったのだけれど、解説でボッシュゴヤの幻想絵画を思わせると書かれていたのを読んでからすんなりイメージがわくようになった。

『ジャクリーン・エス』と比べると、ユーモラスな作品が多かった。『下級悪魔とジャック』は悪魔が可愛いかったし、『セックスと死と星あかり』のアンデット劇団は想像したら笑ってしまう。バーカーの引き出しの多さが垣間見える。血の本シリーズは全部読みたい。